
愛人妻。
愛する妻のことを「愛妻」と呼ぶのなら、愛する人妻のことは「愛人妻」と呼ぶのが適当かもしれない。愛と妻の間に「人」がいる。その人は夫だ。
川口市に住む三十一歳の人妻と出会い系で知り合った。名前は美子。夫に不満はないが、一度喧嘩した折、かっとなって出会い系に登録して若い男と遊んだことがあった。そのとき浮気の味を覚え、ここ数年で何人かの男とセックスを楽しんだ模様。俺もその中のひとりで、数えて五人目とか。
ちなみに美子は近所の大手ショッピングモールでパートタイマーで働いている。一度いたずら半分で様子を見に行ったら、生活用品売り場のゴンドラ(陳列棚)に商品を並べている最中だった。ブレザーとスカートの黒の制服にそそられる。しゃがみ込んだ大きな尻とむっちりした太もも。スタイル抜群の女であることが制服の上からでもわかる。しばらくその後姿を楽しんだあと声をかける。
「あのう、すみません」
「いらっしゃいませ!」
外向けの真面目そうな声で立ちあがるも、すぐに目が点になる。
「パートでお仕事されている黒田美子さんでしょうか」
赤いストラップのネームプレートに「くろだ よしこ」と書いてあった。
「こんなところに来ないでよ・・・どういうつもり?」
ぷいと踵を返し、段ボールを持ってバックヤードに向かう彼女。スタイルが良い女はすなわち背中美人。美子にとって制服は汗まみれの作業着だが、俺にとっては色気たっぷりのコスプレ衣裳にしか見えなかった。
その夜はご主人が飲み会らしく、夕方から美子とセックスした。店に来たことをたっぷり説教された。
「あなただってさ、会社に私が押しかけてきたら困るでしょう?」
説教のあとはお仕置きのような激しいセックス。舐めて欲しいところを長い時間舐めさせられ、挿入後は二十分も我慢させられた。
でもそんなところが可愛らしく、俺にとっては麗しの愛人妻だ。三つ年上だけど、年齢差は感じず、ふくれっ面をしたときなど年下に見えることもある。
こうなると気になるのはご主人のこと。夫婦仲が悪いのいなら問題ないが、夫に不満はないというから困る。ここはたっぷり愛情を注いで彼女をつなぎとめよう。セックスのテクニックも磨き、俺なしでは生きていけない女にしていこう。少しずつ俺の女に変えて行こう。
「愛人妻」の間にはさまっている「人」を一日も早く追いだしたい。